ニュース&イベント

【セミナーレポート】フォレストフェア2018春 スペシャルセミナー『コミュニティビジネスによる街の活性化』

フォレストフェア2018 スペシャルセミナーとして株式会社UDS株式会社 代表取締役社長 中川敬文 様をお招きし、
『コミュニティビジネスによる街の活性化』と題しまして、 10年先を見据えたまちづくりにおけるソリューション、コミュニケーションのあり方についてご講演いただきました。

--------------

まちづくりにおいて大切なのは、どれだけそのまちの人を巻き込めるか。どれだけそのまちの人たちが自分たちごととして参画し、楽しんでもらえるか。UDS様では、そのための「場」づくりをとても重要なポイントとして捉えられ、様々な取組みを実施されています。

UDS様が手がけられている「コーポラティブハウス」を事例に、まちづくりを進めていく上でベースとなる考え方「コーポラティブ」についてご紹介いただきました。「みんなでつくる。シティズンシップ(市民性)。自分たちで自分事としてつくる。」これをどう引き出していくかが、まちづくりのお手伝いをしていく上でベースになる考え方としてご紹介いただきました。

コミュニティビジネスによるまちの活性について、事例を交えながら下記3つの切り口でご説明いただきました。
 

●フューチャーセンター
●歴史・文化・家業
●子供・教育
 

【1】フューチャーセンター
自分たちの住む地域について定期的にいろんな議論をしながら、新しいことやものをつくり出していく場です。ご紹介いただいた鹿児島「薩摩川内市スマートハウス」では、1年間かけて市民の人たちと未来の暮らしについて対話する「フューチャーセンタープログラム」や、未来の暮らしを体験する「ワークショッププログラム」を運営されています。どうすれば市民の方のアイデアや考えていることを引き出せるか、どうすれば全員で共有できるか。市民の方々に自分事として考えてもらえるよう、必要な場づくり、ファシリテーション、メソッドなどを日々研究しながら実践している例としてご紹介いただきました。

【2】歴史・文化・家業
その地域らしさをどう出すか。例として、今年4月に開業された「神保町ブックセンター」をご紹介いただきました。本のまちでありながら閉店する書店も増えてきている神保町で、どのように魅力ある歴史・文化を繋いで、まちを盛り上げていくかということに取り組まれています。
神保町で生まれ育った方にお話を伺うと「神保町をいわゆるビジネス街にしたくない」とおっしゃる方が多いそうです。
本屋さんに限らずその他の事業でも、それぞれに長く続く事業=家業が続いていけば、若者が外に流出することなく、歴史と文化と家業を守り、発展させながらまちが盛り上がって行くはず。そんな視点も持ちながら様々なプロジェクトに取り組まれています。

【3】子供・教育
まちづくりにとって人づくりはとても重要。これは「キッザニア」の立ち上げを通して感じられたそうです。小さな頃から仕事の多様さや楽しさに触れて、自分の仕事やまちについて考える機会があれば、地元で活躍する若い人たちも増えるはず。また一方、子どもにとって「遊び」もとても大切です。遊びから気づいたり、人との付き合いかたを学ぶことができます。地域に子どもたちの遊びや学びの環境をつくる事業にも積極的に取り組まれています。
現在、子どもが自分の責任で自由に遊べるプレーパーク「練馬区立こどもの森」やレゴのショップ、アフタースクールの運営などを手がけられています。また、長野県佐久穂町の廃校をオランダのイエナプラン教育を実践する小学校にするプロジェクトも進行中で、地域と学校、子どもとの境目がない、まちのみんなが気軽に行ける場所にするべく様々な計画がされています。
魅力的な教育があればそこに移住も厭わない親御さんは少なくないはず。その点でも地方活性化において「教育」は大きなソリューションの一つになるとも考えられています。教育における新しい選択肢のひとつを提示することを目指した、様々な取組みをご紹介いただきました。

【1】対話の場づくり
場所や人が違えば、同じ論点でも出てくるアイデアは違います。UDS様では、議論ができる・深まる場を、さまざまな形で設けられ、実践されています

【2】共感できるらしさの再発見と編集
その土地らしさ、魅力はそこに住んでいる人にとっては当たり前すぎて気づかないことがよくあります。地域の魅力を再発見し、編集することが必要です。

【3】こども・キャリア教育
まちの未来はこどもの未来。こどもが元気で、そしてみんなが仕事を楽しめることが地域の活性には欠かせません。その視点での取り組みも必要です。

近者説、遠者来 –近き者説(よろこ)び、遠き者来(きた)る-
「中川社長がおっしゃっていることは、何千年も前に孔子が言っています」と、中国の女性経営者のご友人に言われた言葉だそうです。
近いひと(その地域の人)がそこでの暮らしを楽しんで、喜んで生活をしていたら、おのずと遠くにいる人もやってくる、という意味があります。まずそこに暮らしている人たちが暮らしを楽しんで、誇りを持って外から来た人に「いいまちだ」と言えることが順番として大切です。
まちづくりを進める上でとても参考になる考え方として、最後にご紹介いただきました。


□リンク
近き者よろこび、遠き者来たる(UDS様webサイトへ移動します) 
今回の講演の様子について、UDS様のwebサイトでもご覧いただけます。

BACK
SELECT YEAR :