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TOPコラムABWとは?オフィスでの導入方法や運用のポイントを解説

<TOPICS>フリーアドレスとどう違う?ABWのメリット・デメリットをご紹介!

ABWとは?オフィスでの導入方法や運用のポイントを解説


昨今、ABWやフリーアドレスなど柔軟性の高い働き方を推進する企業が増えています。一方で、従来の固定席に比べ何がよいのか、具体的な運用方法に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。今回は、ABWの基本からメリット・デメリットまでわかりやすく解説いたします。

ABWとは?

ABWとは、Activity Based Workingの頭文字をとった言葉で、業務内容やその日の気分に応じて、働く場所や時間を自由に選ぶことのできる働き方のことです。1990年、オランダの戦略コンサルティング会社において初めて導入され、世間に広まっていきました。

ABWではオフィスに加えて自宅やカフェなど場所を問わず働くことができ、また時間も自由であることから定時という考え方がありません。
よく似ている言葉として「フリーアドレス」がありますが、フリーアドレスにおいて働く場所はオフィスに限定されています。ABWでは働く場所に制限はないため、より自由度の高いオフィススタイルなのです。

関連コラム:フリーアドレス成功の秘訣とは?押さえるべきポイント3選

ABWのメリット

ここで、企業がABWを採用するメリットを4つご紹介します。

・知的生産性の向上

ABW採用のメリットとしてまず「知的生産性の向上」が挙げられます。従来の固定席の場合、従業員は職種や作業内容に関わらず、同じ環境下での作業を強制されていたため、「電話が鳴って資料作成に集中できない」「横やりが入ってしまって作業に集中できない」などの問題が発生していました。作業が中断されてしまっては、知的生産性は下がってしまうため、集中ブースや自宅などを活用できるABWを導入することで、作業の効率アップが見込めるのです。

・ワークライフバランスの実現

オフィス以外での勤務も認められるABWの場合、従業員は好きな場所で働くことができます。毎朝決まった時間に決まった場所に行かなければならない従来型のオフィスの場合、通勤時間がかかってしまったり満員電車によるストレスに晒されてしまったり、従業員にとってデメリットも大きいです。ABWを導入することで通勤に使っていた時間をスキルアップや趣味の時間に使えたり、育児や介護との両立もしやすくなったりするため、従業員のワークライフバランスの実現につながります。

画像提供:PIXTA

・優秀な人財*の確保

ワークライフバランスの実現ともつながりますが、ABWを導入している企業は「働きやすい会社」というイメージを持ってもらえるため、求人にとって有利に働きます。特に採用が激化しているIT系エンジニアなどの場合、オフィスから離れた遠方の求職者も採用することができれば、人財確保につながるため企業にとってのメリットも大きいです。

*TOPPANでは、激しい環境変化を克服し、永続的な発展を目指す企業にとって「人」は「財産」であるとの考えから人材を「人財」と表しています。

・オフィスのランニングコストの削減

ABWではオフィスに出社しなければならないルールはないため、在宅勤務やテレワークなどを活用することで、オフィスの座席数やスペースを減らすことができます。出社している人数を減らすことができれば、オフィス面積が一部削減される場合は賃料削減が可能になり、光熱費などのランニングコストを減らすこともできるため、長期的に見るとコスト削減につながります。

ABWのデメリット

メリットの多いABWですがデメリットもつきものです。ここでは3つ紹介します。

・勤怠や人事評価の管理が難しい

従業員によって働く時間や場所が変わるスタイルのため、従来型と異なり一律で管理することが難しい問題があります。特にオフィス外の自宅やカフェ、コワーキングスペースなどで働く社員の作業内容がわかりづらいため、しっかりとルール決めを行わないと不正が発生する恐れもあります。上記の事態を回避するため、導入の際には勤怠管理や人事評価のルールを再設定し、社員に広く周知することで、自主的に動いてもらうことが重要です。

・社内整備にコストがかかる

ABWですが、導入にあたってオフィスの改修や制度の変更を行った場合は初期コストが発生してしまいます。先述した通り、導入さえしてしまえば、ランニングコストは長期的に見て下がるため、その点も含めてしっかり説明して社内承認をとることが大切です。

・セキュリティへのリスクを対策する必要がある

働く場所が自由に選べるABWの場合、例えばカフェのフリーWi-Fiつないでしまった結果、情報が抜き取られてしまったり、電車の戸棚にパソコンを置き忘れてしまったり…などの問題が発生する可能性が高くなります。従来のオフィスと異なり一律で対策することが難しい問題ではありますが、ウイルス対策ソフトのインストールや、セキュリティ教育を行うことでしっかり対策することが肝心です。

ABWを導入する流れ

それでは、ABWはどのように導入すればいいのでしょうか?流れを解説していきます。

①オフィスの現状を把握する

まず現在運用しているオフィスの問題点を調査しましょう。そもそも従業員がどんなことに課題を感じているのか、経営層として何を課題に感じているのか現状をしっかり把握することで、そもそもABWが最適な手段なのか判断することができます。業務効率化の施策としてはABW以外ももちろん存在するため、アンケートを実施したりABWの導入をメリットに感じるかを調査したり、検討にあたって十分に精査していきましょう。特に社員の業種や働き方に関してはここでしっかり事前調査をしておくことで、ABW導入にあたっての課題や対策が見えてきます。

②ABW導入の目的を決定する

ABWの目的をしっかり定めずに導入した場合、社員に導入の意義や目的が伝わっておらず、結局固定席のようにオフィスを使用してしまう可能性があります。これでは導入した意味がなくなってしまうため、「何のために導入するのか」「どんなオフィス環境が理想的か」など方向性を固めて周知した上で検討を進めることが肝心です。

③オフィスのレイアウトを検討する

ABW導入の目的が決まったら次はその目的に沿ったオフィスのレイアウトを考えていきましょう。どのようなエリアが必要か、どのようなスペースが必要かを課題・目的をもとに洗い出し、抜け漏れがないように検討していきましょう。

【よくあるスペースの例】

<執務スペース>
→業務をするためのスペース。デスクやキャビネットなどがレイアウトされる、オフィスの基本となるスペースです。

<ミーティングスペース>
→会議をするための部屋。フランクな打合せの場合はオープンスペースの一角に位置することもあります。2-3人用から大人数用まで複数用意すると使い勝手がいいでしょう。

<リフレッシュスペース>
→業務の息抜きをするスペース。ソファ席などくつろげる空間になっており、カフェスペースが併設されている場合もあります。

<集中ブース>
→テレビ会議や集中作業のための個室ブース。遮音・防音などの機能があるものも。タイプによって消防法の制限がある場合があるので注意が必要です。

関連コラム:集中ブースの種類から導入の流れまで徹底解説

オフィスのレイアウトは動線の検討や電源の確保など考慮しなければならない点が多数あるため、プロに相談することがおすすめです!自社の課題に応じてレイアウトを提案してもらえるため、コンペを行って検討することで、より理想的なオフィスに近づきます!

④ABWに適した社内制度の策定
 
オフィスのレイアウトが決定した後は、新オフィスに必要な社内制度を構築していきましょう。例えば座席管理や会議室の予約システム、電話対応の方法などしっかり固めることで、改修の後の混乱を防ぐことができます。

ABWを意識したオフィス事例

ロッテ本社ビル 執務室

フレキシブルな働き方を実現するため、多様なワークエリアや自由にレイアウトを変更可能な共用エリアの改修を実施。遮蔽物の少ない設計にすることで、偶発的なコミュニケーションを生む空間に仕上げました。

株式会社エー・アール・シー オフィス

「人と人のつながりを持てる温かいオフィス」をコンセプトに、シームレスにオフィス内を見渡すことのできる空間を目指しました。

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さいごに

今回は、ABWの基本からメリット・デメリットに関してご紹介しました。フレキシブルな働き方を促進する考え方であり、うまく導入することで「働きやすい環境づくり」が実現します。

TOPPANではオフィスの改修・リニューアルはもちろんのこと、オフィスレイアウトに関するご相談も承っております。検討中の方はぜひ、下記お問い合わせフォームよりご連絡ください!

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