家での時間が大切。特に朝はコーヒーを挽き、野菜スムージーを作り、1日に備える時間をたっぷりと取る。
エココンシャスで、健康的にポジティブに生きる女性。
天然素材で仕上げた空間に、モダンな家具を配置したフレッシュなインテリア。
日中は外で忙しい時間を送っているからこそ、家での夜時間を大切にしている男性。旅先や街で集めたアートやアンティークに囲まれ、ゆったりと静かに、音楽や映画を楽しむ。
ウォールナット等を用いたダークな空間の中に、さりげなく個性的なアートやアンティークが混ざり合うインテリア。
ガーデニング、、キャンプ等、自然を取り入れた生活を送っている家族。
道端で拾ってきた葉っぱや、川で拾ってきた古木、海で拾ってきた貝殻などが自然と飾られている家。
木製家具が生える素材感を意識した、柔らかな白のグラデーションのインテリア。
新柄開発に当たり、前年の3つの暮らし方をベースに、今のトレンドに合わせて、「A:エシカルな暮らし」「B:アート&プレイフルな暮らし」「C:自然を取り入れた暮らし」の3つに分類しました。 前年から大きく変えた点が2つあり、ひとつはAとCのポジショニングを入れ替えたことです。もうひとつは、Bを“スマート&アートな暮らし”から、“アート&プレイフルな暮らし”に変えました。これらの変更に伴って、それぞれのライフスタイルやペルソナのディテールも見直し、CMF(カラー、マテリアル、フィニッシュ)に落とし込んでいます。
3つの暮らし方の違いとして、まず「エシカルな暮らし」のペルソナは、朝からゆったりヨガをしたり、フレッシュな野菜や果実でスムージーを作ったりするなど、エココンシャスでこだわった日常を楽しんでいる独り暮らしの女性をイメージしています。 「アート&プレイフルな暮らし」のペルソナは、前回は都会の高層マンションでスマートなライフスタイルを送っているIT系の男性のイメージでした。けれど、今回は旅好きでアートやデザインにこだわりがあり、ナイトタイムにワインをたしなみながら音楽や映画を堪能するような趣味性の高い男性のイメージに変えました。 「自然を取り入れた暮らし」のペルソナは、前回はアフリカンなテイストを好む女性寄りのイメージでしたが、性別に偏らないニュートラルな方向にシフトチェンジしました。休日に家庭菜園やキャンプを楽しむようなファミリーをイメージしています。
インテリアスタイルもそれぞれのペルソナを踏まえて設定しています。「エシカルな暮らし」は、朝から活動するヘルシーな女性のライフスタイルに合わせて、天然素材を使った空間でモダンな雰囲気にしています。カラーはグレーホワイト系にテラコッタ系のピンク、ユーカリやオリーブの葉のような落ち着いたグリーン、ブルー系をアクセントにしました。 「アート&プレイフルな暮らし」は、照明やオーディオにこだわった空間で、旅先で見つけたアートやアンティークに囲まれた個性的なインテリアを楽しんでいるイメージです。夜時間を大切にしているペルソナなので、ウォールナットなどのダーク系に、青みがかった金属やレザー、石などの落ち着いたテイストでまとめています。 「自然を取り入れた暮らし」はアメリカ西海岸の海辺のライフスタ イルを象徴する“Coastal(コースタル)”な世界観にしています。ナチュラルで柔らかなホワイト系のグラデーションをベースに、節のある古木や貝殻など、ラスティックな自然素材が映えるインテリアスタイルにしました。
リアルに見せる仕上げです。 新柄を塗装に落とし込む過程で最も難しかったのは、「エシカルな暮らし」の新柄です。自然にはないホワイト系の木目をいかに本物っぽく仕上げるかということにかなりこだわりました。最終的にこんなにリアルな印象のシートに仕上がって感動しています。通常、本物の無垢材を薄くそいでシート状にした突板を張り合わせる際も、木目の幅が狭いと離れて眺めた時に不自然に見えてしまうことがあるんですよね。でも、今回の新柄は、まるで本物の突板を張り合わせたように見えます。
私が設計の仕事で携わるのは「自然を取り入れた暮らし」のスタイルが多いですね。私自身の家もこのタイプです。でも、個人的に今後住んでみたいなあと思うのは、「アート&プレイフルな暮らし」のイメ ージですね。私が現在手がけている50代の施主の家も、まさにこんなダーク系の落ち着いたトーンのテイストです。
少し前までは、壁や床が汚れたり劣化したりすることに対して許容度が低く、できるだけ劣化の少ない機能的な建装材を求めるお客さまが大半でした。でも、最近は汚れにくいウレタン仕上げやクロスより、汚れる心配のあるオイル仕上げや、ひび割れのリスクもある珪藻土を選ぶお客さまが年代に関わらず増えています。近年は古民家や古い物件を改装した趣のあるカフェや宿泊施設などが増えているため、インテリアが朽ちたり経年変化していくことへの理解度が増しているのかもしれません。 また、コロナ禍を経てファッションも年齢を問わずTシャツにスニーカーが増えてカジュアル化しているように、インテリアもより快適なものを求める方向に価値観が変化しつつあると思います。
気の高いテラゾーと淡色系のシートが増えると使いやすいと思います。例えば、「エシカルな暮らし」の新柄のメタル調のシートは、他にない淡色系のトーンなのでとても貴重です。淡色系の石や珪藻土などのシートデザインもバリエーションが増えるといいですね。やはりシートは機能面で優れているので、本物の素材と組み合わせていろいろ活用できると思います。